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その強い火力から、プロパンガスは家庭におけるたいへん優れたエネルギー源の一つ。一方で、ガス漏れや漏れたガスに引火しての火災など、ガス器具を使う上で心配な点も少なからずあります。
ガス警報器は、ガス漏れをいちはやく検知し、ガスを安全に使用するために有効な機器です。ただし、その仕組みや正しい使い方、設置義務などについてはあまり知られていません。
今回は、ガス警報器の設置が義務づけられるケース機器の仕組みガス警報器が作動した場合の正しい対処方法費用感などについてご紹介していきます。

ガス警報器設置は義務?3世帯以上入居する共同住宅には必須

ガス警報器

ガス警報器って何?家庭にガス警報器が必要な理由

調理に湯沸かしに暖房に、家庭内のエネルギー源としてさまざまなシーンで活躍するガス器具たち。その一方で、可燃性の気体であるガスは、適切に扱わないと非常に危険な存在でもあります。中でも心配なのが、ガス漏れおよび漏れたガスに引火しての火災等のガス事故。また、不完全燃焼による一酸化炭素中毒もガスの使用時には注意が必要です。
こうしたトラブルに対し、いち早くガス漏れや不完全燃焼の発生を察知して、警報音によって知らせる機器が「ガス警報器」です。
中には、ガス供給の自動遮断機能やセキュリティシステムと連動した自動通報機能を備えたものもあり、ガス事故を未然に防ぎ、安全にガスを使用するために役立つ存在なのです。

ガス漏れの把握を「匂い」だけに頼るのは危険!

ガスのにおい 気付かない

都市ガスやプロパンガス(LPガス)は、タマネギが腐ったような不快な匂いがします。これは、ガス漏れがわかりやすくなるように、意図的に付けられた匂いです。

この匂いのおかげで、ガス漏れがあれば気がつきやすくなるのは確かですが、じつは匂いだけに頼るのはたいへん危険でもあります。
就寝中や外出中、あるいは屋内で活動していても、キッチンなどガスが漏れている部屋に人がいない場合などは、ガスが漏れていても「そもそも匂いに気がつく人がいない」状態です。また、風邪や花粉症などによる鼻詰まりで匂いに気がつきにくいこともあるでしょう。

このような理由から、匂いだけに頼らずにガス警報器を利用した方が安全かつ確実なのです。

ガス警報器には不完全燃焼による一酸化炭素の発生を知らせてくれる機種も

ガス警報器 ガス漏れ 不完全燃焼

ガスを使用する上で、ガス漏れと並んで心配なのが一酸化炭素中毒。ガスは室内の空気を使って燃焼するため、定期的に換気を行わないと不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生する怖れがあります。最近の家屋は昔に比べて気密性が高くなっているため、とくに注意が必要です。

ガス警報器の機種によっては、ガス漏れだけでなく、このような不完全燃焼を検知して知らせてくれるものもあります。室内の一酸化炭素濃度が危険な値になる前に知らせてくれるので、ガス漏れだけでなく不完全燃焼も検知してくれるタイプの警報器を選ぶと良いでしょう。

ガス警報器の設置は義務?LPガス法で定められた設置義務の条件

ガスを安全に利用するためのルールは、「LPガス法(正式名称:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則)」に定められています。この中には、ガス警報器の設置についても規定があり、建築物や施設の種類によってはガス警報器の設置が義務づけられています。

LPガス法では地下室や地下施設に加えて、下記のような「多くの人が集まる」建築物・施設もガス警報器の設置義務対象となっています。法律に記載された内容を元に簡単にまとめてみたので確認してみましょう。

  • 劇場や映画館、遊技場などのアミューズメント施設
  • 飲食店など
  • 百貨店やスーパーマーケットなどの商業施設
  • ホテルや旅館、共同住宅などの宿泊施設
  • 各種学校や幼稚園などの教育施設
  • 図書館や博物館などの文化施設
  • 公衆浴場など
  • 駅や空港、船着き場などの交通施設
  • 寺社や教会などの宗教施設
  • 床面積が千平方メートル以上のオフィス

このように、特定不特定を問わず多くの人が集まる建築物は、ほぼLPガス法でのガス警報器設置義務の対象となっているのです。

アパートやマンションなどの共同住宅もガス警報器の設置義務対象!

警報器の設置義務

前項で確認した建築物は、そのほとんどが商業施設や公共施設になります。
しかし、ここで注意したいのがホテルや旅館と並んで「共同住宅」も含まれているという点。
LPガス法において共同住宅とは、

  • アパートやマンションなどの集合住宅(賃貸・分譲は問わない)
  • 同一の建物内に3世帯以上が入居できるもの
  • 建物の大きさ(床面積の広さ)や木造・鉄筋といった構造は問わない

とされています。
共同住宅も「多くの人が集まる」という点では他の施設と同じく、ガスの安全な使用のためにガス警報器の設置が義務づけられているのです。
また、LPガス法ではガス警報器の設置が義務づけられていないものの、共同住宅以外の戸建住宅も「設置推奨施設」とされ、ガス器具のある室内にはできるだけ設置することが推奨されています。

なお、LPガス法について詳しく知りたい方は「電子政府の総合窓口e-Gov」から全文をご確認いただけます。
電子政府の総合窓口e-Gov【液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則】

ガス警報器の設置は誰がするの?大家か入居者かは確認が必要

ガス警報器 設置するのは誰

では、ガス警報器の設置が義務づけられている施設や建築物において、実際の設置は誰が行わなくてはならないのでしょうか。
商業施設や公共施設であれば施設の責任者がいるので問題ありませんが、気になるのはアパートやマンションなどの共同住宅の場合です。

結論から言えば、共同住宅におけるガス警報器は「住宅の関係者」が設置・維持をしなければなりません。そして、ここで言う「住宅の関係者」とは、大家さん、不動産会社や管理会社、入居者のすべてを指しています。つまり、明確に誰がすべきとは示されていないのです。
そのため、賃貸・分譲を問わず、大家さんや管理会社がすでに設備として設置しているケースもあれば、入居者が個別に設置しなければならないケースもあるのです。これは非常に注意すべき点で、共同住宅の入居者はしっかりと確認する必要があります。

入居者自身が設置する場合は、ガス警報器を購入またはレンタルする必要があるので、なるべく入居前に管理会社等へ問い合わせるようにしましょう。

また、戸建住宅には設置義務はありませんが、ガス漏れからの火災など近隣への影響を考えると、やはりガス警報器の設置が望ましいと言えます。

プロパンガス以外のガスにも反応する?ガス警報器の操作や対処法について

ここまでは、ガス警報器の概要および設置の必要性について説明してきました。
続いて、ガス警報器の仕組みや使い方、警報器が作動した場合の対処方法などについて見ていきましょう。

ガス警報器が反応する条件は?殺虫剤などのスプレー缶に反応することも

ガス警報器と4つのセンサー

まずは、ガス警報器がガス漏れに反応する仕組みについて簡単に確認してみましょう。

ガス警報器は、内蔵されたセンサーがガスと反応することによってガス漏れを検知します。代表的なセンサーの方式は以下の4つ。

  • 半導体式センサー
  • 接触燃焼式センサー
  • 気体熱電動式センサー
  • 電気化学式センサー

詳しい解説は省きますが、センサーの電気抵抗の増減など、いずれもガスがセンサーに接触した際の化学的あるいは物理的な変化を利用して検知しています。

→ウィキペディア:ガス警報器

ヘアスプレー缶などのガスやアルコールなどにも反応してしまう

さまざまな手法でガスを検知できるガス警報器ですが、従来のセンサーの多くは、目的となるガス以外の気体にも反応してしまうことがあります。
代表的なものとしては、ヘアスプレーや殺虫剤などのガスを用いたスプレー缶アルコールやみりん、酢などを含む蒸気線香やタバコの煙などが挙げられます。
日常のちょっとした、かつ発生頻度の高い気体に反応してしまうため注意が必要ですが、選択性センサーの開発やフィルターの採用などにより、ガス警報器の信頼性は年々高くなっています。

なお、これらのガス以外の気体に反応してガス警報器が作動してしまった場合でも、適切な対応をすれば問題ないのでご安心ください。

ガス警報器が反応してしまったら?警報音を止める方法

ガス警報器が鳴ったら

ガス警報器が作動すると、ブザーや音声などによって異常を警告します。
この際、警告に対して焦って行動せず、適切な対応を行うことが大切になります。

まず、絶対にやってはいけないのは、警告音を止めるために電源プラグを抜いてしまうこと。確かに警告音に焦ってしまう気持ちはわかりますが、じつはガス警報器の警告音は空気中のガス濃度が下がれば自動的に止まるようになっているため、状態回復の確認のためにも電源はそのままにしましょう。また、引火の可能性があるので火の使用はもちろん、スイッチ類の動作も絶対に避けてください。

次に、ガス警報器が反応したということはガス漏れの危険があるため、窓を開け換気をよく行います。空気中のガス濃度が下がって警告音が止まれば、ひとまずは安心してよいでしょう。スプレー缶などに反応した場合でも、同様の対応で解決できます。

続いて、ガス漏れが起きていたという前提で、ガス漏れの原因を調べましょう。ガスの元栓とガスメーターの元栓を閉めた上で、ガスのゴム管が外れていないか、あるいは破損がないかなどを確認します。問題がある場合はそのままガスの使用を止め、ガス会社等に連絡しましょう。

なお、十分に換気をしたりガスの元栓を閉めても警告音が止まらない場合は、すぐにガス会社等への通報が必要です。ガス会社によってはガス警報器が作動すると自動的に通報してくれる設備を有している会社もあるで、こうしたサービスのあるガス会社を選ぶのもよいでしょう。

誤作動?故障かな?ガス警報器の対処法アレコレ

ガス警報器も機械である以上、故障や誤作動の可能性は少なからずあります。
とくに、ガスを使用してもいないしスプレー缶なども使用していない、さらに換気も十分なはずなのにガス警報器が反応する場合などは、機器の故障や誤作動を疑いたくなることでしょう。

しかしながら、思い当たる点がないからといって、絶対にガス漏れが原因でないとは言い切れません。そのため、仮に「故障かな?」と思っても、まずはガス漏れが起きた場合と同じ対応をすることが大切です。

火の使用や電化製品などのスイッチ操作を控え、ガスの元栓を閉め、十分に換気を行う。たとえガス警報器の故障が疑われる状況であっても、この手順だけは必ず守るようにしましょう。

その上で、ガス警報器の作動が止まらない場合は、ガス警報器の販売店やメーカーに問い合わせてみます。また、あらためて取扱説明書を確認してみることも重要。ガス警報器の機種によっては、一時的かつ一定時間の間だけ警告音を止められるものもあるので、故障時などには役に立つことでしょう。

ガス警報器は警報器という機器の性格上、普段は使っていることをまったく意識しません。だからこそ、いざ反応して作動したときに焦らないよう、緊急時の連絡先や取扱説明書をわかりやすい場所に用意しておくようにしましょう。

ガス警報器の価格や耐用年数は?お金を節約するために知っておきたいこと

ガス警報器の価格や耐用年数は?買い替えを視野に入れて警報器を選ぼう

ガス警報器多用年数は5年

マンションやアパートでは義務として、戸建住宅でも安全のために設置しておきたいガス警報器ですが、導入にあたっては注意しなければならない点もあります。

それは、ガス警報器には耐用年数(有効期限)があるという点。これはガス業界で統一されたルールであり、都市ガス用の場合は購入から5年、LPガス用の場合は製造から5年と定められています。

いったん設置すればそれで終わりというわけではなく、それまでの作動状況にかかわらず、5年の耐用年数が過ぎたら新しいものに交換する必要があるのです。

ガス警報器を購入する際は、この点に注意して機種を選ぶとよいでしょう。

買い替えや使用期間を考えて機種を選ぼう

さて、ガス警報器の購入にあたっては価格も気になるところです。

住宅用のガス警報器(本体のみ)であれば、安いものなら4千円前後から、高いものでも1万円台前半程度の実売価格(2018年8月時点)となっています。
メーカーや機種によって幅がありますが、この点は搭載された機能で選べばよいでしょう。

なお、ガス警報器の耐用年数は、価格の高低や機能の多寡にかかわらず、すべて等しく5年と定められています。また、引っ越した場合はガス種が同じとは限らないため、それまでのガス警報器は使えなくこともあります。

そのため、ガス警報器を購入する際には、5年後の買い替え、あるいは将来的な引っ越し予定なども視野に入れて機種を選ぶようにしましょう。

ガス料金の見直しが一番の節約!警報器のレンタルは月額数百円から

ガス警報器のレンタル

また、ガス警報器は購入の他にガス会社からのレンタルで設置できる場合もあります。
月々の負担は300〜400円程度からとなるので、一括購入の負担が大きく感じられる場合には、レンタルを選ぶのもひとつの手です。ガス料金と一緒に支払えるので、負担感も非常に小さくなるでしょう。

ただし、5年の耐用年数いっぱいまで使った場合、基本的には購入の方がトータルでは安くなります。逆に、1〜2年程度の短期間の居住の場合であれば、レンタルの方が安くなることもあります。

このあたりはおサイフ事情と相談しながら決めるようにしましょう。

節約が目的ならばガス料金の見直しの方が効果的!

ここで気をつけたいのは、節約のためにガス警報器の設置を止めるという考え方がたいへん危険であるということ。

ガス警報器の目的は「安全」であり、自分自身や近隣住民を守るために設置するもの。わずかな節約のために、ガス警報器によって担保される安全を捨ててしまっては、いざというときに計り知れない損失につながってしまいます。

そこでお勧めしたいのが、ガス警報器による安全はそのままに、ガスに関わるすべてをトータルで節約するという視点。
使用量そのものを節約するのもその一つ。たとえば、お風呂の入り方を工夫するだけで毎月1000円以上の節約が可能になるケースもあります。

また、使用方法を工夫しても毎月のガス料金が高く感じられる場合には、そもそものガス料金が高すぎることが理由であることも。プロパンガスの料金は「自由料金」であり、各ガス会社が自由に価格を決めることができるため、じつはガス会社ごとのの料金には大きな隔たりがあるのです。

そのようなときに利用していただきたいのが、ガスリサーチの「料金ツール」です。
地域ごとの相場価格を知ることができ、よりお得な料金のガス会社を紹介してもらうことができます。乗り換えに際してのサポートもあるので、ガス代に関する悩みがある人は、ぜひ一度料金ツールでの診断を試みてはいかがでしょうか。

ガスリサーチの「料金ツール」はこちら。

まとめ

ガス器具の安全な使用にあたっては、ガス漏れをいち早く検知できるガス警報器の設置が大切。マンションやアパートなどの共同住宅ではガス警報器の設置は法律で義務づけられ、戸建住宅でも自身および近隣への安全のために設置が推奨されています。共同住宅の場合、大家さんや管理会社が設置するケースもあれば、入居者自身が設置するケースもあるため、事前の確認が必要です。

ガス警報器は機種によってはガス以外の気体に反応することもありますが、ガス警報器が反応して作動した場合はガス漏れが起きたと想定して、正しい手順で対処することが必要。火を使わない、スイッチ類を操作しない、窓を開けたり換気扇を回して換気する、ガス栓を締める、その上でガス器具の点検をするなどの対処をしましょう。また、空気中のガス濃度が下がればガス警報器の警告音は自動的に止まるため、電源プラグを抜くのは絶対に止めましょう。なお、緊急時の連絡先や取扱説明書はつねにわかりやすい場所に用意しておくのがお勧めです。

ガス警報器には5年の耐用年数があり、使用期限が来たら交換が必要になります。この費用は安全のためにも削れないため、節約を考えるならばガス料金の見直しが何より効果的になります。
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