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新規でプロパンガスを使用する場合、まずはプロパンガス会社と工事及び供給契約を結び、ガス配管やガス機器等(ガス給湯器・ガスコンロ等)の工事が行われます。事前にガス配管やガス機器等(ガス給湯器・ガスコンロ等)の工事が必要だと理解していても、いつ、どのタイミングで行うのが適切なのかについてはご存知ない方の方が多い事でしょう。事前にリサーチをせず工事を発注。万一、発注先が悪質な業者だった場合、本来であれば必要のない不当な工事代金を請求されてしまう可能性も否めません。

では、プロパンガスの工事は、いつ、どのタイミングで行うのが理想的なのでしょうか。また、悪質な業者に工事を依頼しないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。

今回は、ガス配管工事の際に注意しなければならないポイントや、無償貸与・無償配管について詳しくご紹介していきます。より快適な生活を送るためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
無償貸与とは

【もくじ】

プロパンガス工事の契約内容を知りたい。無償配管・工事費無料は得なの?損なの?

プロパンガス工事で損をしないために、プロパンガス工事の契約内容と手続きの流れを理解しよう

無償貸与は無料じゃない
新築の家でプロパンガスを使用する場合は、まずガスの設備工事を行わなくてはなりません。
主なガスの設備としては、ガスメーター出口からガス機器までの「消費設備」、ガス容器からガスメーター出口までの「供給設備」という2つがあります。
供給設備は、「プロパンガス容器」「圧力調整器」「ガスメーター」の3つで構成されています。一方、消費設備は、「配管」「給湯器」「コンロ」「ガスファンヒーター」などで構成されています。

ガス設置にあたり、配管工事費用、給湯器といった消費設備が、ガス会社負担となっているケースは「無償配管」「無償提供」または「工事費無料」と各ガス会社によってさまざまな表現がありますが、これはプロパンガス業界でしかみられない独特の仕組みである「無償貸与契約」と呼ばれるものです。

名称に「無償」と付いていることもあり、「タダで使える」というイメージを持ってしまう人がいるのですが、実際はそうではありません。ガス会社は自社で負担した費用を回収しようと、相当期間の契約年数の縛りが発生したり、月賦のように毎月のガス料金に上乗せして請求している場合があります。消費者が使用するわけですから、当然と言えば当然のことなのかもしれませんが、「無償」という言葉に勘違いしないようご注意ください。

プロパンガスの無償貸与・無償工事契約のメリットはイニシャルコスト、デメリットはランニングコスト

プロパンガス メリットとデメリット
では、プロパンガスの無償貸与・無料工事契約にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
プロパンガスの無償貸与・無償工事契約のメリットとして挙げられるのは、やはり「イニシャルコスト(初期費用)を抑えられること」でしょう。プロパンガスの無償貸与や無償工事契約は、ガス配管工事費用、ガス機器本体費用(ガス給湯器・ガスコンロ等)やガス機器設置費用など幅広い範囲が含まれ契約金額も10万円位~50万円近い金額の場合もあります。そして前の章で説明しましたが、結果として「無償」ではなくガス料金に上乗せして請求されることもありますが、初期費用を抑えたい人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、「ランニングコスト(維持費)が発生すること」です。

初期費用は抑えられますが、その費用分を月々のガス料金に上乗せされた場合、「毎月のガス料金を抑えたい」と考えている方にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
メリット・デメリットをよく知り、無償貸与・無償工事契約の仕組みについて理解を深めた上で内容をよく確認し契約することをおすすめします。

無償貸与契約は解約時のトラブルが心配?プロパンガスの契約内容をしっかり確認すれば問題ありません

契約前に確認しよう
プロパンガスの無償貸与契約では、どのような問題が起こるのでしょうか?
プロパンガスは会社ごとに独自の計算方法に基づいて料金を設定する自由料金なので、ガス会社によって料金に大きな差があります。そのため、無償貸与の部分でトラブルが起きてしまうというケースも少なくありません。そういったトラブルを避けるために、まずプロパンガスを契約する際には、契約内容・契約期間等をしっかりと隅々まで確認することをおすすめします。契約する際に、契約書に解約する際の解約金・違約金に関する記述はあるのか、または口頭で説明があるのかを確認しましょう。
契約内容を確認する際は、「無償貸与契約を解約する場合、どの程度の金額を負担する必要があるのか」という点は必ず確認しておきましょう。契約書に明確に記載されていない場合、不当な金額を請求される可能性もありますので、しっかりと確認することをおすすめします。それでも明確な回答を得られない場合は、別のガス会社との契約を検討しましょう。

また、既に契約を交わしてしまっている状態でトラブルになりかけている場合は、ガス会社の乗り換えを検討するのも一つの方法です。ガス会社によっては、金額にもよりますが解約金を負担してくれる場合があります。その場合には、新たにガス会社と契約を交わすことになりますが、相談してみる価値はありますね。

こちらの記事でもトラブルを防ぐための方法を詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。

【アパート・マンション経営大家さん向け】プロパンガスの工事契約・無償貸与の賢い使い方

大家と入居者双方が得するプロパンガス会社との契約は無償貸与契約の内容を理解した上で行うこと

賃貸 プロパンガス
入居者が「できる限り安全・安心に、できる限り費用を抑えてプロパンガスを使いたい」と考えるのは当然のことですが、それは賃貸物件を経営し不動産を所有する大家さんにとっても同じです。大家さんも、できる限り高い入居率を維持したいという考えを持っています。そのため、あまりにもガス料金が高くなってしまうと、入居率がどんどん下がってしまう可能性があるのです。
大家さんにとっても入居者にとっても、有益な住まいを目指すのは、とても大切なことです。

ちなみに、プロパンガスの無償貸与契約の内容はガス会社によって様々です。ガス配管工事だけではなく、ガス機器(給湯器・コンロ等)以外にエアコンやインターフォンなども無償貸与の対象としているガス会社もあります。長期的な利益を考えた場合、より住みやすい環境、暮らしやすい環境を整えてあげることが大切ですが、入居者のガス料金を抑えるためにもあれもこれもと過剰なサービスを無償貸与で契約することは控えた方が良いですね。大家さんにとっても入居者の負担が大きくならないようにプロパンガス会社と契約交渉することが重要になるのです。

こちらの記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧になってみてください。

【新築・購入】プロパンガスの工事はどうしたらいい?業者選びや契約方法

新築戸建住宅のプロパンガス工事は自分で見積もりをとりプロパンガス業者を選ぼう

注文住宅 建売住宅 プロパンガス
新築の物件を購入する場合
戸建住宅は、注文住宅と建売住宅に分けられます。建売住宅はあらかじめプロパンガス会社が決められている可能性が高いです。注文住宅の場合は、契約前に申し出れば、自分でガス会社を決めることができるケースが多いです。
プロパンガス会社を選ぶ際に、施工会社(ハウスメーカーや工務店など)からガス会社を紹介されるというケースもあるかと思います。もちろん、その紹介された会社の契約内容に満足できれば問題ありませんが、場合によっては満足のいく契約内容ではないケースもあるでしょう。すでに契約をしてしまっているのであれば、「ガス会社の変更」を工務店やハウスメーカーにその旨を伝えてみましょう。工事の進捗状況によっては対応してもらえる場合もあります。まずは相談してみましょう。

また、トラブルを避けるためには、事前に「工事費の見積もり」をもらうことが重要となります。見積もりをもらうことによって、契約に透明性が生まれるからです。悪質な業者の場合(そもそもハウスメーカーが悪質な業者を紹介する可能性は低いのですが)、契約内容に曖昧な記述が含まれている可能性もあります。そのため、例えハウスメーカーからの紹介であっても、事前に見積もり行い、契約する前に契約内容を確認するようにしてください。
プロパンガスは自由料金なので、できるだけ複数の会社を比較検討していくと良いでしょう。

中古戸建住宅を購入したら自分で選んだプロパンガス会社と契約し古い機器の撤去も依頼しよう

中古戸建住宅 プロパンガス
生活費を節約するために、できる限りプロパンガスのコストを抑えたい」とお考えの方もいるでしょう。
中古戸建住宅を購入した方の場合、既にプロパンガス機器が設置されているというケースも多いかと思います。しかし、この場合、設置されているプロパンガス会社に連絡してしまうと、割高な契約になる可能性も否めません。そのガス会社が悪徳業者だった場合、「以前の入居者と同じ」と説明され、高いガス料金で請求してくる可能性があるからです。

「でも、プロパンガス会社を勝手に変えることはできるの?」と思われたかもしれませんが、その心配は要りません。特殊な場合を除き前の所有者が引っ越しをした時点で、そのガス会社との契約は解約しているからです。つまり、既に設置されているプロパンガス会社と契約しなければならない義務はないのです。
従って、仮に中古戸建住宅にプロパンガスが設置されていたとしても、必要な手続きをすれば、自分で選んだプロパンガス会社と新たに契約をすることができます。

新たに契約するプロパンガス会社が決まれば、必要な手続きはガス会社が行ってくれますのでご心配はいりません。地域のガス料金相場をしっかりとリサーチした上で、新たなガス会社を選ぶことをおすすめします。

分譲マンションのプロパンガス会社の変更は理事会やマンション管理組合と協力すれば可能

分譲マンション プロパンガス
では、分譲マンションを購入した人がプロパンガス会社を変更したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
戸建住宅の場合、個人的にプロパンガス会社を変更することは可能ですが、分譲マンションの場合、一部屋だけプロパンガス会社を変更することはできません。もしプロパンガス会社を変更したい場合は、マンション全体を変更する必要があるため、分譲マンションの理事会や管理組合を通じてガス会社と交渉を行うのが一般的です。

ガス料金があまりにも高額であるなら、他の住民も同じ気持ちになっている可能性が高いと言えます。そのため、まずは地域の相場価格や契約条件を確認した上で、他の住民がどのように思っているか、確認を取ってみると良いでしょう。その上で「高額である」と判断できた場合は、分譲マンションの理事会や管理組合に掛け合ってみましょう。戸建住宅と比べると、簡単にプロパンガス会社を変更できるわけではありませんが、決して不可能なわけではありませんので、ぜひ行動を起こしてみてください。

もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧になってみてください。

賃貸住宅住まいでも諦めず大家さんに交渉してプロパンガス会社を変更しよう

賃貸住宅 プロパンガス
賃貸住宅にお住いの方が「少しでも家計費を節約したい」という思いからプロパンガス会社を変更したくなった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
基本的に賃貸住宅の場合、全ての判断は大家さんに委ねられます。まずは、地域の相場価格を調べて、その賃貸住宅のガス料金と比較してみましょう。
その上で、大家さんに「プロパンガス会社を変更すべき理由」をしっかりと伝えれば、プロパンガス会社を変更してもらえる可能性も高くなるでしょう。

より詳しく知りたい人は、こちらの記事も併せてお読みください。

【リフォーム】費用負担を軽減する方法や契約の注意点

リフォームでガス配管工事が必要な場合は?

リフォーム プロパンガス
キッチンやお風呂などの水回りをリフォームする場合、以前と設置場所が変更になった場合などは新たにガス配管を工事する必要が出てきますね。後から高額な費用請求をされても困りますので事前に見積もりを取り確認しましょう。ガス配管工事には資格が必要なため、必ず契約中のガス会社や専門の業者へ依頼し、施工してもらうようにしてください。
工事のついでにガス会社を変更し、無償で工事を行ってくれるプロパンガス会社もありますが、その場合は、工事金額に応じて新たな貸与契約を結び、年数縛りが入るというケースが多くなっています。完全無料で工事を行ってくれるというケースは少ないので、事前にしっかりと確認を取るようにしましょう。

プロパンガス会社を乗り換えようとした時のトラブル回避法は?

「ガス会社の変更をしようとしたら、撤去費用を請求されてしまった」「ガス会社を変更したいけど、トラブルが怖くて変更できない」といった悩みを抱えている方も多いようです。こういったトラブルを解決、もしくは事前に防ぐには、詳しい専門家に相談するのが一番の方法といえるでしょう。
消費者はガス会社を自由に決められるようになったことで、多くのメリットが生まれたわけですが、その反面悪質な業者に騙されてしまうケースがあるのも事実です。

特に解約金・違約金を請求されるケースです。まずは、契約書の内容をしっかりと確認してみましょう。契約書に複数年契約の記載がある場合、違約金が発生してしまいますが、契約時に口頭で説明を受けていなかったのであれば、交渉の余地があります。
自分だけで解決策を考えるのは危険ですので、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。

こちらではプロパンガスを契約する際の注意点について詳しくご紹介していますので、併せてご覧になってみてください。

まとめ

今回は、ガス管工事の際に注意しなければならないポイントや、無償貸与・無償配管についてご紹介させていただきました。最後にもう一度、今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 配管工事費用などの消費設備がガス会社負担となっている。これを「無償貸与契約」と呼ぶ
  • プロパンガスの無償貸与・無償工事契約のメリットは、イニシャルコスト(初期費用)を抑えられること
  • プロパンガスの無償貸与・無償工事契約のデメリットは、ランニングコスト(維持費)がかかること
  • 新築戸建住宅の場合、施工会社からガス会社を指定されることもあるが、自分で見積もりを取ってガス会社を選ぶことが大切
  • 中古戸建住宅の場合、新たに自分に適したガス会社を探すことが大切
  • 分譲マンションの場合、一部屋だけ変えることはできないが、理事会や管理組合を通じて交渉を行える可能性はある
  • 賃貸住宅の場合、全ての判断は大家さん。大家さんに「プロパンガス会社を変更すべき理由」を伝えてば、会社を変えてもらえる可能性がある

ガスリサーチには、専門家の知恵を借りてプロパンガス会社の乗り換えに成功した事例が多く掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。