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「都市ガスに比べてプロパンガスは高い」というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか?
なかでも、アパートやマンションなどの賃貸(集合住宅)はプロパンガス料金が高い傾向にあるため、ガス料金を巡った「入居者」「ガス会社」「大家さん」三者間でのトラブルが絶えず起こっています。

しかし、プロパンガス用金が高いというイメージが先立つと「そもそもの高い理由」や「節約以外にガス代の根本(基本料金や従量単価)を見直す値下げ方法」といった重要なポイントを見落としやすくなるので注意しましょう。

毎月のガス代を安く抑えていくには、プロパンガス業者が自由料金で会社が独自の裁量で自由な価格設定(値上げや費用の上乗せ)を行えることや、大家さんへの相談・交渉によって契約するガス会社を変更できる可能性を知っておくことが大切です。

ガス代金の支払いが負担で見直したいと感じているなら、面倒な計算を省ける「ガスリサーチの見直し診断」を利用するのがおすすめです。ガスの相場価格を知りたい場合も素早く調べられます!

プロパンガス料金は都市ガスと比べてなぜ高いのか

プロパンガスの料金は公共料金でなく自由料金

都市ガスが公共料金であるのに対し、プロパンガスは自由料金であることを知っていますか?
自由料金は地域や業界の水準に関係なく、各会社が自由な計算方式による料金設定を行えることが特徴です。
そのため、自由料金であるプロパンガス業界は会社の利益を優先した料金設定を行い、結果としてプロパンガス業界全体の相場料金が都市ガスと比べて高くなっています。

また、公共料金のように国や自治体を介さないプロパンガス業界は、今までガス料金の内訳が公に触れる機会がほとんどありませんでした。
そのため、同じガス会社と契約していても契約者によって料金が異なる場合があり、なかには明らかに不適切な料金設定をしているガス会社もあります。

契約者ごとに異なるガス料金の請求や不適切な値上げが行われている事実を知って、まずは不透明な要素が多いプロパンガス料金について知識を深めていきましょう!

消費者がプロパンガス会社を自由に選べることが知られていない

プロパンガスはガス会社を契約者が選ぶことができますが、この事実を知る方はそう多くありません。
これはプロパンガスが公共料金だと勘違いされやすく、地域によって特定のガス会社としか契約ができないと思われてしまうためです。

最近では、2017年にスタートした都市ガスの自由化ばかりが注目を浴びますが、実はプロパンガスはすでにガス料金の自由化が開始されていたのです。
つまり、一般の消費者がガス会社を自由に選べる体制は、プロパンガス業界においてはすでに整っていたということです。

公共料金の場合は国や自治体が定める料金というイメージを持つ方は大勢いるので、不適切な請求がきたとしても「支払うべきもの」として高すぎるガス料金に疑問を抱く方が少ないでしょう。
しかし、繰り返しますがプロパンガス会社は消費者が自由に選択できるのです。ガス会社を乗り換え、新たに契約する際はできるだけ条件がよく安心して長くお付き合いできるガス会社を探すことが大切です。

価格競争が少なく、古い慣習が残る業界

プロパンガスが高いというイメージが広がってしまった背景には、長く続いてきたプロパンガス業界の慣習があります。

プロパンガスが一般家庭に普及して以降、多くのプロパンガス会社は業者間における「顧客の取り合い」を避けてきました。具体的には、地域独占をすることで各会社に一定の顧客を保持してきました。
この結果、プロパンガス業界には価格競争が起こらず、「長期的に高値で安定したガス料金」が定着しました。
現代のプロパンガス料金が高いと言われるのも、こうした業者本意の料金設定が行われ続けてきたためです。

インターネットの普及により消費者の情報網が広がった現在では、関東を中心にわずかな価格競争が始まっていますが、「ガス代を安く抑えたい消費者」が納得できる料金設定にはほど遠いといえます。

しかし、都市ガスの自由化により消費者が敏感になっている今、プロパンガス会社は料金設定やサービス内容を改定せざるを得ない状況です。
そのようなことから、今後は顧客離れを防ぐためにも不透明な部分や不適切な料金・サービスが是正されていくのではないかと予想できます

長期的に高い料金を維持してきたプロパンガス業界ですが、消費者のニーズや政策などにより、古い慣習を打ち破るガス会社も登場するかもしれません。
消費者にとってのデメリットが少しずつ軽減されていく見通しなので、新規会社の増加や新しい取り組み(料金やサービスの改定など)には目を向けておきましょう!

賃貸アパート・マンションのガス料金はさらに高い

賃貸アパートは大家さんがガス会社と契約。入居者は選ぶ権利がない

プロパンガス会社を自由に選べるのは、概ね戸建てに住む方に限られてしまいます。
というのも、賃貸の場合はガス会社の契約権を大家さんが持つため、賃貸アパートなどの入居者はプロパンガスの料金が高くても勝手にガス会社を変更することができません。

大家さんはガス会社を選ぶ際に初期費用の有無やメリットになるサービスを重視してガス会社を比較検討します。
そのため、入居者のデメリットが気づかれにくく、不適切な料金設定や値上げを行う悪質なプロパンガス業者と契約してしまった可能性も大いに考えられます。

このようなことから、賃貸への引越しでは契約しているガス会社や料金設定を事前に確認し、悪質なガス会社との契約物件を避けられるようにしましょう!

設備の工事費用を入居者への請求に上乗せしていることがある

賃貸の場合、新規のガス設備費用を入居者のガス料金に上乗せし請求している場合があるため、「知らないうちに高いガス料金を払い続けている」といったケースが後を絶ちません。
ガスの設備費用は本来大家さんが負担するべき費用ですが、プロパンガスの場合は「無償貸与」という形で契約をすることがあります。

無償貸与とは、設置にかかる費用をガス会社に負担してもらうことで、初期投資を抑えた形でガス供給を開始できるのです。
初期費用を抑えたい大家さんにとっては、設備費用が高額な都市ガスよりも無償貸与で利用開始できるプロパンガスのほうが導入しやすいといえるでしょう。

また、ガスの供給契約することでエアコンや給湯器などの設備等のサービスを行うプロパンガス会社もあります。
このようなプロパンガス会社のサービス内容は大家さんにとって大きなメリットとなりますが、果たして入居者にとってメリットとなるのでしょうか?

無償貸与により設置にかかった費用は、実は入居者へのガス料金に上乗せする形で回収されています。
この上乗せ料金については入居者に知らされることがなく、設置費用分を回収し終わった後でも毎月のガス代が減額されることはありません。

そのため、賃貸の入居者は入居年数が長ければ長いほど不適切なガス料金を支払い続けている可能性があります。
大家さんにとってのメリットは、裏を返せば入居者にとってのデメリットです。この事実を知って、自分のガス代が高すぎないか再度確認してみましょう。

プロパンガス料金の計算方法と相場料金

プロパンガス料金には基本料金と従量料金がある

自分のプロパンガス料金がどのように計算されているか知っていますか?
毎月請求されるガス代は、主に基本料金と従量料金の2つからなり(二部料金制)、合計したものがガス代として請求されます。

基本料金とは、ガスボンベの配送や検針などにかかるコストを1つにしたもので、使ったガスの量に関係なく毎月一定の料金が加算されます。
反対に、従量料金はプロパンガス1㎥あたりの料金を指し、使用したガスの分だけ料金が加算されていきます。

ガス料金の内訳については、「プロパンガス料金の節約方法紹介!ガス代が高い理由は従量単価が原因かも」でより詳しく解説しているので参考にしてください。

契約しているガス会社や地域によっては基本料金・従量料金に大きく差があるため、まずは自分のガス代を内訳まで正しく把握できるようになりましょう!

プロパンガスの相場料金を把握しよう

自分のガス代が高いと感じているなら、相場料金よりも高い基本料金や従量料金が請求されている可能性があります。

石油情報センターのLPガス公式資料によると、プロパンガスの全国平均価格は、二部料金制で20㎥使用の場合、【基本料金=1,829円、従量単価=552円】となっています(平成29年10月現在)。

ただし、上記はあくまでも平均価格です。資料を細かく見ていくと、最高値と最低値とでは大きな開きがあることを確認できます。
たとえば、関東の基本料金の最高値は2,830円、最低値は841円です。従量単価の最高値は768円、最低値は330円と、基本料金・従量料金ともに大きな開きがあることが分かります。

北海道から沖縄までの全国各地域では、ガス会社や契約内容によってガス料金の大きな開きが確認できました。さらには、同じ地域内でも基本料金や従量単価に開きがあります。

 

このようなことから、契約するガス会社が毎月のガス料金を大きく左右するといっても過言ではありません。
自分が住む地域の相場料金を知るには、素早く調べられる「ガスリサーチの見直し診断」を利用してみるのがおすすめです!

プロパンガス料金の値下げ方法、節約よりガス会社を見直そう

契約しているガス会社に直接値下げ交渉?あんまり効果的ではないかも

ガス料金が高いことでガス会社への値下げ交渉を検討している方もいるのではないでしょうか?
しかし、賃貸の場合はガス会社に直接の値下げ交渉を持ち込むことは得策とはいえません。

なぜなら、ガス会社との契約・変更は入居者ではなく大家さんが判断するためです。もしも値下げできたとしても、微々たる値引きでは相場料金に届かないため意味がありません。

また、今まで高いガス料金で供給していたガス会社も、一人の入居者だけを特別扱いすることはまずありません。
多くのガス会社は入居者からの苦情や交渉に対して多彩な返し文句を備えています。専門知識をもたず、入居者がガス会社に料金の交渉を行ったとしても賃貸では大幅な値下げを期待できないでしょう。

このようなことから、賃貸ではガス会社に直接の値下げ交渉を持ち込むのは非効果的といえます。
でも諦めないで下さい!!ガス会社の値下げを期待できない今、私たちができる工夫は「ガス会社の見直し・乗り換え」です。以下の項目でガス会社の見直し乗り換えによる値下げ方法を詳しく見ていきましょう!

一戸建ての持ち家ならガス会社変更がおすすめ

一戸建ての場合は、自分が契約者となってガス会社を自由に変更できるため、無理な交渉よりもガス会社を変更するのが最もおすすめです。
毎月のガス代が高くて悩んでいるなら、まずはガス料金の診断をして、結果に応じてガス会社の見直しを考えてみましょう。

ガス会社の変更は、多くの規約に目を通さなければいけないため難しいと感じるかもしれませんが、そんなときは「ガスリサーチ」に相談すれば、料金の安い優良なガス会社を紹介してもらえます。
自分一人では比較検討が厳しい場合も、「ガスリサーチ」なら効率良くガス会社を比較していくことができます。

賃貸の場合は引越しか大家さんに交渉

賃貸に住む方の中では「ガス代が高すぎて家計が圧迫されている…」なんて方も大勢います。高いガス代を安くしていくためにも、ガス会社の契約権を持つ大家さんにまずは交渉してみましょう。

ガス会社を変更してもらうよう大家さんに交渉する際は、伝えるべきポイントを押さえた入念な準備が大切です。交渉前に揃えておくべき交渉材料には以下のようなものがあります。

  • プロパンガスの相場料金を事前に確認しておく
  • 転居も検討していることを伝えるなど、したたかに
  • 他の入居者と協力し、署名なども集めておく
  • 大家さんの 手間にならないことを伝える
  • 残存料金を払ってくれるガス会社もあることを伝える

相場料金を知ったうえで交渉を持ち込むことができれば、賃貸全体のガス料金が高い傾向にあることをスムーズに伝えられるでしょう。
また、転居も検討していることや他の入居者も困っていることを伝えられれば、大家さんとしても検討を余儀なくされます。
他の入居者の意見を伝える際は、口頭だけでなく署名があればより効果的でしょう。

しかし、入居者目線のみの交渉は大家さんにとってデメリットとなることを忘れてはいけません。
たとえば、契約変更に伴って発生する手数料や残存料金(設置費用の分割金など)があれば、その全てが大家さんの負担となります。

また、契約変更に大家さんの時間を割かなければいけないことも確かです。そこで伝えておくべきポイントが「大家さんの手間にならないこと」や「残存料金を払ってくれるガス会社もあるということ」の2点です。

多くの大家さんは、デメリットさえ少ないことが分かれば入居者の要望に応えようと努力してくれるでしょう。交渉には時間や手間がかかりますが、話次第ではガス料金を大幅に値下げられるチャンスといえます。

そのため、ガス料金を安くするためにもやる価値があることを念頭に置いて交渉に挑みましょう。
万が一、交渉が決裂した際は、速やかに引越しを検討することで良心的なガス会社と契約を結ぶ賃貸を新たに探すことができます。

まとめ

最後に、プロパンガスの料金が高い理由や、料金の値下げ方法についておさらいしましょう。

  • プロパンガス業者は料金を自由に決めながら価格競争をしてこなかったため、長期的に高い傾向にある
  • 料金の上乗せや不適切な値上げが行われているため、賃貸アパートなどのプロパンガス料金はさらに高い
  • 「基本料金」「従量料金」からなるプロパンガス料金の内訳や、料金相場を正しく把握することが大切
  • 交渉材料を準備して大家さんに「ガス会社の変更」をお願いするのがおすすめ

交渉材料の準備を行うためにも、まずは自分のガス料金を見直して、地域ごとに異なる料金相場と比較してみましょう。ガス料金が相場より高いと分かれば、この記事を参考に値下げへの第一歩を踏み出してみてください。