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「プロパンガスのボンベってどういう構造なの?」「扱い方や処分方法で気をつけることはあるの?」など、プロパンガスのボンベについて気になる疑問をまとめてみました。より安全にプロパンガスを利用するためにも、注意すべきポイントを詳しく紹介します。

プロパンガス(LP ガス)ボンベの構造・種類

容器内(ボンベ内)には液体状のプロパンガス(LPガス)が入っており、使用時に気体の状態になる

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「Liquefied Petroleum Gas(液化された石油ガス)」の意味を持つプロパンガス(LPガス)は、圧力をかけて液体となった状態でボンベ内に充填されています。

プロパンガスは圧力をかけることで簡単に液体となる性質を持ち、その沸点は-42.1℃です。気体のプロパンガスに一定の圧力を加えることで液体化し、液体になると気体の約250分の1の体積となります。この特性を利用して、一定の圧力をかけたボンベ内はほとんどが液体のプロパン、一部が気体のプロパンという状態で満たされています。

このようなことから、プロパンガスの輸入や家庭への配送などでは液体の状態で充填・運搬され、使用するときに気体へ戻すという方法で効率化が図られています。

また、ボンベを使用するときは、ボンベ上部のバルブと接続されたホースからボンベ内上部に溜まった気体のプロパンガスが出てきます。気体のプロパンを使っていくとボンベ内の圧力が下がりますが、これを補うような形で液体のプロパンが気体となります。このような働きによって、ボンベ内の圧力は一定に保たれる仕組みです。

ボンベの種類は大きく分けて家庭用と工業用がある

プロパンガスボンベの種類には大きく分けて以下のようなものがあり、用途や供給形態によってさまざまなサイズが用意されています。

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用途や供給形態によって様々な種類があります

・一般家庭用
・工業用
・ポータブル用(屋台・アウトドアなどで使用される小容器ボンベ)

一般家庭用のボンベは素材や販売会社によってもサイズに違いがありますが、主に20kgボンベ、30kgボンベ、50kgボンベが使用されており、それぞれのサイズや特徴は以下の通りです。

・20kgボンベ(鋼鉄製)
容器総重量…18.7kg
サイズ…高さ82.7cm、外径31.92cm
容積・…47L

・30kgボンベ(鉄鋼製)
容器総重量…26.1 kg
サイズ…高さ116cm、外径31.96cm
容積…71L

・50kgボンベ(鋼鉄製)
容器総重量・・・36.9kg
サイズ・・・高さ140.8cm、外径36.62cm
容積・・・118L

なお、アパート・マンションなどの集合住宅などでは、ボンベを各家庭に置く個別供給方式ではなく、集合住宅の一角に容器収納庫などを設けて各家庭に供給する集中供給方式(集中プロパンとも呼ばれる)が取られることが多いようです。

一方、業務用・工業用のプロパンガスボンベは、一般家庭用のものと比べて大型で、横置きであるのが特徴です。サイズは外径90cm以上、長さ(高さ)130cm以上、総重量はサイズによっても異なりますが300kgを超えるものがほとんどです。

そのほか、動力燃料として使うフォークリフト用プロパンガスボンベや、屋台・アウトドアなどで使うポータブル用小容器ボンベがあります。小容器ボンベは防災対策用として、企業や病院などに備蓄されることもあります。

震災など災害時にプロパンガスは強い

プロパンガスは災害時の安全性が高く、復旧が早いガスです。中でも、地震に強く、地震発生時の安心につながる多くの工夫が施されています。

プロパンガスのガスメーター(マイコンメーター)は、震度5以上の地震や異常(ガス管の亀裂や腐食)を自動的に感知し、ガスを遮断します。このとき、マイコンメーターには警告が記号で表示されるため、契約者も一目で異常を察知できる点が安心です。

プロパンガスは都市ガスと違って、各家庭にボンベが設置されているため、配管が短く、簡単に点検できます。そのため地震などの災害時にガスが遮断された場合でも、都市ガスよりも早くガスを復旧できることで知られています。

そのほか、ボンベを運ぶ配送ルートさえ確保できれば、スピーディーにガスを供給・使用できるのもプロパンガスの特徴です。プロパンガスを利用できる発電機や炊き出しセットの用意さえあれば、災害発生時に避難所や仮設住宅でのライフラインを早急に確保できます。

災害時の安全性も高く、復旧も早いプロパンガスは、防災の観点からもおすすめできるガスです。

プロパンガス(LP ガス)ボンベの安全な扱い方

ボンベには「充てん期限」と「再検査期間」がある

プロパンガスボンベには「充てん期限」と呼ばれる保証期間があり、これを過ぎたものは再検査を受け、検査に合格しないと使えないため注意しましょう。

期限が切れていて再検査していないボンベは、爆発などの事故が起きる可能性もあることから、法律によって「充てん期限」が定められています。プロパンガスボンベに大きく見やすい状態で「充てん期限の最終日」を含む月(再検査が必要な前月)が表示されています。なお、容器規則第24条で定められた「再検査期間」は、以下の通りです(平成元年4月1日以降製造のボンベに該当)。

【製造経過年数20年未満】
・10kg(25L)以下のボンベ・・・6年に1度
・20kg(25L)を超えるボンベ・・・5年に1度
・自動車燃料用容器・・・6年に1度

【製造経過年数20年以上】
・10kg(25L)以下のボンベ・・・2年に1度
・20kg(25L)を超えるボンベ・・・2年に1度
・自動車燃料用容器・・・2年に1度

「充てん期限」を過ぎているボンベは再検査を受け、合格しないとプロパンガスの充てんができません。業者によって対応に違いがあるため、ご自宅のプロパンガスボンベに表示された「充てん期限」を確認しておきましょう。

供給設備などの点検は義務付けられている

プロパンガスは、液化石油ガス法に基づき、4年に1回以上の点検・調査を行うことが義務付けられています。点検・調査を行うのは、認定を受けた保安機関(ガス販売業者やその委託業者など)ですが、いずれの実施者も、下記の7つの保安業務に則って定期的な点検・調査を行います。

・供給開始時点検・調査
・容器交換時等供給設備点検
・定期供給設備点検
・定期消費設備調査
・周知
・緊急時対応
・緊急時連絡

上記7つの保安業務の中でも、4年に1回の点検・調査が義務づけられているのは「定期供給設備点検」「定期消費設備調査」ですが、業者によっては4年に1回以上の短期間で点検を行っている場合もあります。

また、「定期供給設備点検」では、ガス漏れの有無や調整器からガスメーターまでの供給設備を点検し、「定期消費設備調査」ではガス器具や給排気、ホースや配管など、消費設備の調査を行います。

これらの点検・調査は、プロパンガスを安全に利用するために欠かせません。プロパンガスの法定点検・調査が必要な場合は、はがきや電話で契約者へ知らされるので、案内があれば必ず受けるようにしましょう。

ボンベの移動・運搬する際の注意点

プロパンガスボンベの運搬方法は、法律で定められています。プロパンガスボンベの設置や移動には危険が伴うため、設置場所の移動が必要な場合は、契約している販売業者に依頼しましょう。

一般自動車でプロパンガスボンベを運搬するときは、積載量や積載方法に以下のような規定があります。

【積載量】
8kg容器2本以下(特定の措置を行った例外を除く)

【積載方法】
・転倒防止措置が必須(縦に積み、ロープなどで固定)
・車内保管不可
・火気厳禁

このほか、工事車両などで8kg以上もしくは2本以上のプロパンガスボンベを運搬・移動するときは、警戒標の表示や必要工具を車載しておくことが義務づけられています。自宅のプロパンガスボンベの設置場所を変更したい場合は、基本的に無料でプロパンガスボンベの移動をしてくれるので、販売業者へ依頼しましょう。

プロパンガス(LP ガス)ボンベの設置・処分の方法に関して

ボンベの設置基準の注意点

プロパンガスボンベの設置場所は、液化石油ガス法によって定められています。詳細は、貯蔵能力によって違いがありますが、ここでは1t未満の場合を紹介します。プロパンガスを安全に使用するためにも、設置場所に注意しましょう。

LPガスの設置基準

以下の項目を参考に、プロパンガスボンベの設置基準を確認してください。
・風通しのよい屋外に設置する
・直射日光などによる温度上昇を避ける
・火気まで最低2メートル以上の距離をとる
・転落・転倒防止(二重掛け鎖の使用や平面への設置を推奨)
・備品損傷防止(落下物がバルブへ損傷を与えないようにする)
・腐食防止(腐食しやすい水回りや軒下を避ける)
・ガス漏れ警報器の設置(一部除外あり)

 

通常、プロパンガスボンベの設置は販売業者が実施しますが、より安全に利用するためにも設置基準を知っておくことが大切です。

ボンベの処分方法、基本的には販売業者が回収

家庭に設置されたプロパンガスボンベは、法律により危険物扱いの品として定められているため、個人で処分してはいけません。

一般的に、家庭用のプロパンガスボンベが空になったときは、販売業者が無料で回収してくれます。このことからも分かるように、空のプロパンガスボンベは販売業者の所有物として扱われています。

また、事業所などで買い取ったプロパンガスボンベを処分するには、販売元が回収してくれるかどうか確認しましょう。基本的には、空のプロパンガスボンベは販売業者が無料で回収してくれますが、倒産などの理由により回収不可となる場合もあります。そのようなときは、有料処分を行っている業者への依頼が必要です。
プロパンガスボンベは、扱い方によっては大事故を招く可能性もあり、大変危険です。くれぐれも、個人での処分や不法投棄をしないよう注意してください。

プロパンガスボンベの取り扱いには細心の注意を払って、安心・安全にガスを使用できるよう工夫していきましょう。ガスについてより詳しい知識を得るなら、まずは手元にあるプロパンガスの請求書を見直してみてはいかがでしょうか?
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まとめ

最後に、プロパンガスボンベの安全な扱い方、処分方法をおさらいしましょう。

・ボンベの種類は家庭用・工業用などの用途によって異なる
・ボンベに充てんされたプロパンガスは運搬しやすく、地震などの災害に強い
・「充てん期限」と「再検査期間」に注意する
・点検・調査は定期的に受ける
・移動や運搬は販売業者に依頼する
・設置基準を把握しておく
・プロパンガスボンベの処分は販売業者に依頼する

プロパンガスを使用している方は、安心・安全な取り扱いを心がけ、事故を未然に防ぐ工夫をすることが何より大切です。

なお、プロパンガスの料金について気になることがある方は、こちらのサイトの料金診断を活用してみましょう!
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